宜野湾市
第34回 南島文化研究所セミナー「まれびと」論再考- 折口信夫「まれびと」論の形成と諸課題 -
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日程
2025年01月20日(月)
開演:14:40 終演:16:40
料金
受講料 無料
内容
講師:小川直之(南島文化研究所特別研究員/國學院大學名誉教授)
コメンテーター:狩俣恵一(南島文化研究所特別研究員/沖縄国際大学名誉教授)
司会:田場裕規(南島文化研究所所員/沖縄国際大学教授)
折口信夫の「まれびと」論は大正13年(1924)に提示され、それから100年が経つ。この斬新な文化理論は、現在も関心を集め、自らの理論にこれを取り込んで文化論を展開される方も多い。こうした折口の「まれびと」論は、『万葉集』東歌や宮廷の中門儀礼などから構想され、大正12年(1923)の沖縄・八重山での民俗採訪によって実像を得て、これに列島各地の来訪神習俗を加えて理論形成が行われている。折口の文化理論は、注目されるいくつかの事象を象徴論的に捉え、これを意味論的手法で論理化しているのが特徴で、「まれびと」は八重山のアカマタ・クロマタ、マユンガナシ、アンガマを組み合わせてモデル構築が行われているといえる。ここには構築された「まれびと」モデルが実相と合致しているかの検証が必要となるなど、いくつもの課題があるが、折口の「まれびと」論の内容は、大きくは「ほかひびと」論、来訪神論、「翁」論という三つのステージをもっている。
「ほかひびと」論は古代の国家形成のなかでの流浪の民(巡遊伶人)の発生論である。来訪神論と「翁」論は、来訪神の発する「神口」と所作、来訪した神と在地の精霊との対抗(掛け合い)に基づく文学と芸能の発生論であり、この来訪神の止揚と展開で「翁」や沖縄の「長者の大主」などが成立していくというステージをもち、発生論は文化形成の原理論といえる。
折口の「まれびと」論には、来訪する神の出所としての常世論、この神の行為である鎮魂(たまふり)論、さらにはこの神の来訪によるまつり論などいくつもの論理が含まれているが、講演では「まれびと」論の形成過程と、この理論にはこうしたステージがあることを改めて確認する。そして、この理論の構築に内包されている諸課題とこの理論がもつ有効性を検討したい。
問合先
南島文化研究所