1932年生まれ。若い頃から野良仕事を終えた青年男女の“毛遊び（もうあしび=歌垣）"に聴き入り、三線を自作し独学で歌を覚える。終戦後は米軍キャンプで働き、黒人兵からアメリカ音楽を教わった。その後、才能を認められて沖縄の芝居に地方（じかた）として参加。その腕は50年代末から60年代にかけてさらに発揮され、戦後最大の民謡ブームの基礎を築く。2004年にはめでたく古希を迎えたが、県内外で積極的にライブを行い、多くの民謡ファンをうならせていた。2013年3月19日に逝去。

■プロフィール／その歴史：
沖縄伝統音楽における現役最高峰のシンガー。
1932年、兵庫県尼崎市に生まれ、本島・石川市東恩納（ひがしおんな）に育つ。少年時代から音楽〜芸能の才に長け、親に隠れながら歌や三線を独学した。
16歳で当時の主要劇団の一つであった松劇団へ「地謡」（じうてー=伴奏者&シンガー）の見習いとして加わり、その後、珊瑚座などの人気劇団で修業に励んだ。
1957年、小浜守栄、喜納昌永らと共に琉球民謡協会を設立する。同年、神童と謳われた12歳の少年、知名定男が、登川に弟子入りする。
1970年、声楽譜付の楽譜=工工四（くんくんしー）である『民謡端節舞踊曲工工四』を発表する。いわゆる民謡界で、声楽譜まで付けた楽譜集はこれが最初である。
1975年、本土に沖縄音楽を紹介した竹中労によって、登川誠仁は『美（ちゅ）ら弾き』（ビクター）などが録音される。
1998年、琉球民謡協会名誉会長となる。
1999年、彼が準主役として登場した映画『ナビィの恋』が、沖縄映画史上ダントツの人気をさらったのも、中江裕司監督が、登川誠仁のフトコロの深さ、味わいを、まずは映画の中核に置こうと決めた狙いの正確さに負うことが大きいはずである。
映画『ナビーの恋、ホテルハイビスカス』に出演。そのユニークなキャラクターがより注目を集める。同年出版されたオフィシャル自伝『オキナワをうたう』は第23回沖縄タイムス出版文化賞を受賞。
2004年には弟子の知名定男と大阪ドームで共演（琉球フェスティバルに於いて）する。
2008年 オリジナル・ソロ・アルバムとして約6年振りの作品『 酔虎自在 』をリリース。　

2013年3月19日に逝去。

■主な受賞歴
1976年 琉球民謡協会第一回功労賞
1989年 沖縄県指定無形文化財（琉球歌劇保持者）に認定
元、琉球民謡協会名誉会長
琉球民謡名人賞保持者
石川市芸能功労賞
日本三板協会顧問
第五回ニフティ映画大賞助演男優賞
沖縄タイムス文化功労賞
沖縄タイムス出版文化賞正賞
沖縄県文化功労賞保持者
2011年12月　宮良長包音楽賞

Born in 1932, Mr. Noborikawa is the top traditional Okinawan singer who continues to grace us with his talents. He began his musical career by hand-making his own sanshin, a traditional Okinawan three-stringed instrument, and studied singing independently. After the Battle of Okinawa, he worked on a US military base where he learned American music from African-American troops, and was one of the founders of the biggest Okinawan music boom post-war. In 1998, he became the Honorary Chairman for the Ryukyu Minyo Kyokai (an association for traditional Ryukyuan music). He appeared in the 1998 movie, Nabbie’s Love, and also in Hotel Hibiscus, which were both set in Okinawa. His unique and charming character in the movies and in real life continues to garner fans of all ages.

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