中頭郡西原町

藁算シンポジウム「沖縄の結縄 ワラザン~日本に残る唯一の結縄文化~」

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日程

2025年03月30日(日)

開場:12:30 開演:13:00 終演:17:00

会場

琉球大学農学部本館 〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1

内容

 社会の中で文字が一般に使用される以前は、縄を結んだ「結縄」や木片に切れ込みを入れた「木刻」などが、数や物事の記録、意思の伝達などに用いられていた。かつては、世界の様々な地域の無文字社会において、結縄や木刻は記録やコミュニケーションツールとして重要な役割を果たしてきた。沖縄では、琉球王国時代から明治の中頃まで、文字を使えない農民や庶民の間で「藁算(ワラザン)」と呼ばれる結縄が使用されてきた。藁算は琉球文化圏に固有の結縄であるが、明治期以降の教育の普及に伴い急速に消失し、現在では一部の祭祀で使われるのみとなっている。しかし、沖縄の藁算は、日本に唯一残る結縄で、日本の結縄文化を研究する上でも希有な存在である。
 藁算は、明治期に田代安定によって調査がなされており、そのとき収集された原標本のほとんどが国立民族学博物館に保存されている。琉球大学博物館では、これまで県内の祭祀に残る藁算の調査と国立民族学博物館との共同研究による藁算標本のデータベース化を進めてきた。この度、本共同研究の完了に伴い、完成した藁算データベースとこれまでの研究成果を広く沖縄県民へ還元することを目的に、藁算シンポジウムと藁算の原標本による特別企画展を開催する。本企画展で展示する国立民族学博物館の原標本は、田代安定によって約140年前に沖縄各地で収集された藁算であり、沖縄本島では140年ぶりの初の里帰り展となる。

●講演
3/30(日)13:00〜15:15
農学部大講義室
予約不要・参加費無料
オンライン参加可(Zoom)

「田代安定と藁算」
 講師:野林厚志(国立民族博物館/教授)

「沖縄の藁算とサン」
 講師:佐々木健志(琉球大学博物館風樹館/助教)

「藁算が使われた背景」
 講師:豊見山和行(琉球大学 名誉教授)

●ワラザン作り体験
3/30(日)15:30〜17:00
農学部中講義室
要予約・参加費無料
比較的簡単な藁算を作成し、藁算の基本的な読み方と作成方法を学ぶ。

●同時開催「藁算里帰り企画展」
3/20(木)~4/11(金)10:00〜16:00 期間中平日のみ
琉球大学博物館風樹館 1F文化系展示室
展示内容:国立民族博物館所蔵 田代安定藁算原標本(約20点)
     琉球大学博物館所蔵 藁算 原資料(10点)/復元資料(約30点)/サン資料(約30点)

要事前申込

問合先

琉球大学資料館 風樹館

TEL:098-895-8841