沖縄市
帰ってきたフランク・ロイド・ライト展 ヴァスムート作品集セレクション
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料金
入場料 無料
内容
沖縄県建築⼠会と有機的建築アーカイブが、「ヴァスムート作品集セレクション」と題し、建築家フランク・ロイド・ライトの初期のパース画の企画展を開催。
世界の建築界に多⼤な影響を与えたアメリカの巨匠、フランク・ロイド・ライトは、1893 年のシカゴ万博⽇本館で⽇本建築と初めて出逢った。障⼦や襖を開け放って周囲の情景を取り込む空間構成に感銘を受けたライトは、それまでの⻄欧式の閉じられた箱の建築からの脱却を試み、アメリカの豊かな⼤⾃然と⼀体となる開放的な“有機的建築”を提唱した。ライトは⽇本の浮世絵にも造詣が深く、ニューヨークの美術商だった知⼰の林愛作が後に帝国ホテルの⽀配⼈になり、ライトにホテル新本館の設計を依頼するきっかけともなった。
ヴァスムート作品集は1910年にドイツのヴァスムート社から出版されたライト初の作品集で、リトグラフで描かれた100枚の透視図と平⾯図で構成されている。出版後すぐにヨーロッパの建築界で評判となり、コルビュジエやミース、グロピウスなど、当時の若い建築家たちに多⼤な影響を与えた。100枚のうち、おおよそ半分はライトの下で働いていた世界初の⼥性建築家マリオン・マホーニー・グリフィンの⼿によるもので、この作品集の評判は彼⼥の優れた技術によるところも⼤きいと⾔える。
現在、愛知県の豊⽥市美術館を⽪切りに、東京のパナソニック汐留美術館、⻘森県⽴美術館を巡回する「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」展が開催されており、今回のヴァスムート作品集の展⽰はその内容を補完する企画でもある。ライトの建築作品には、⾃然と共⽣する⽇本⽂化への敬意と洞察が息づいている。今回展⽰するヴァスムート作品集のパース画にも、⽇本の浮世絵から着想を得た構図が⾒られ、⼀枚の絵画としても芸術的完成度が⾼い作品となっている。
環境や⽂化を敬うライトの建築思想に触れる事で、各地域の気候、⾵⼟、⽣活にあわせた建物を建てるという考え⽅を⾒つめ直す。