糸満市
浦田健二 個展 「FACES」
Kenji Urata Exhibition FACES
- アート・展示
- 現代アート
- 絵画
- CG・映像
- リアルイベント
料金
入場料 無料
内容
出演:浦田健二
浦田健二による12年ぶり、5度目の個展となる展示会「FACES」は、人間の「顔」を主題とした展示会である。絵画やCG、映像、ドローイング等、彼らしい多様なメディアで構成される展示会である。
「顔」それは人間らしさの証であり、その人格を最も象徴するもの。視覚、聴覚、嗅覚の他に呼吸や食事といった、ヒトが生きる上で重要な役割が集約されている場所である。と同時に、個人を識別する最も有用な部位であり、表情により感情(心)が現れる特異な場所でもある。ヒトとヒトが交わすコミュニケーションの土台となる場所であり、ヒトが最も注目する場所とも言えるだろう。
人々の衆目を集める「美人」を定義する上で「平均顔」という考え方がある。複数の顔を合成する実験で明らかになったもので、人数を増やせば増やすほど顔は平均に近づくが、それにつれて「魅力あり」と受け止める人は増えるのだという。いわば顔面のグローバリズムである。
美しさ=平均値であるとするならば、メディアやネットワークの一般化に伴い、その母数は近代で急激に増加したと言えるし、多様化が進む社会の中に反して「平均」に対する人々の意識は止まることなく上がり続けている。
浦田は、これまでも人間やその身体性をテーマとし、絵画やイラスト、写真や映像、AI画像等、様々なメディアを使って制作を行ってきた。当然、これまでの作品の中でも顔をモチーフとした作品は群を抜いて多い。だが大抵の場合、顔の均整を意図的にズラしたような、過激なデフォルメが行われることが多い。調性ではなく不調性に、歪みや違和感の中にこそ人間性を垣間見る彼の制作スタンスは特異であり、時に時代に逆行し、暴力的にも映るだろう。だが、だからこそ彼の作品は注目に値するし、美しさや多様性に対する問いが隠れているとも言える。
出演者リンク
- 浦田健二