入場料 無料

えかき/歌人として東京で活動する水野咲の絵と詩の世界を展示。COVID-19により人との接触が減り、人肌や体温への関心が高まったことから生まれたという作品群。


COVID-19が現れたばかりの頃、マイペースな自分は平気だと思っていた。しかし物理的な距離と、パーテーション・マスクで覆われた生活は、人々から徐々に表情を奪っていった。すべてが表層的で、かさかさしていて、私は壊れそうだった。家族や友人、見知らぬ誰かとの数えきれない触れ合いを通じて、見えない何かが私たちの中を循環していた。生き延びることに専念するしかない今、希望があるとしたら再び触れ合えるその瞬間であろう。あなたの肌が待ち遠しい。抱きしめ合うと、凍りついた魂がゆっくり溶けて、肌をどこまでもつたってゆくのがわかった。この雪解けのような感動を表現すべく、水や光を使って、人肌の愛おしさ、艶を強調した。
text by 水野咲

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