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箆柄暦『八月の沖縄』2012 月・太陽・☆

2012.08.05
  • インタビュー
箆柄暦『八月の沖縄』2012 月・太陽・☆


箆柄暦『八月の沖縄』2012
2012年7月31日発行/112号

《Piratsuka Special》
月・太陽・☆(つく・てぃーだ・すたー)

《Piratsuka Topics》
映画『歌えマチグヮー』東京&沖縄
りんけんバンド東京ライブ
フィンガー5『Best & Nonstop Finger5』
ネーネーズ『Live in Tokyo〜月に歌う』
下地勇『STOCKOUT』
アニメ『ひめゆり』
『ジョニー宜野湾&WAREWARE』
ZUKAN『Sentimental Massage』

 

 
Piratsuka Special
月・太陽・☆(つく・てぃーだ・すたー)
磨き合い、輝きを増す、復帰っ子達の美しき歌声。

 沖縄本島中部の北谷町を拠点に、県内外で活躍する沖縄ポップスユニット「しゃかり」のボーカリスト、チアキ。石垣島に生まれ育ち、人気ポップユニット「彩風」のボーカルを経て、現在はソロで活動するシンガー、仲田かおり。そして歌三線の名手・松田弘一を父に持ち、自らも沖縄民謡の世界で高い評価を得てきた唄者、松田しのぶ。ともに沖縄本土復帰の頃に生まれた“復帰っ子世代”の実力派女性シンガー三人が、復帰四十周年となる今年、新たな沖縄ポップスユニット“月・太陽・☆”を結成した。もともと同世代の友人同士だが、これまで本格的な共演の機会はなく、それぞれが「いつか一緒に歌ってみたい」と思っていたという。

 今回の新ユニットでは“太陽”として、伸びやかな歌声を力強く響かせているチアキは、「三人で歌えるのは本当に嬉しい」と、まさに太陽のような笑顔で語ってくれた。 
「三人で一緒に歌うと、自分の歌が二人の歌から刺激を受けて、どんどん磨かれていくのがわかるんです。二人の歌を聞いて“この人やっぱりすごい”って感動することも多いし。この年になってそういう学びの機会を持てるのは、とてもありがたいことですよね」

 その言葉に力強くうなづく仲田かおりは、“月”の光のような清らかさと可憐さを併せ持った歌声が魅力だが、その表現力もまた、このユニットへの参加を経て高まったという。「三人でステージに立ったとき、感じるコトの量がハンパじゃないんです。その感動が自分の歌にもきちんと入っていって、これまでできなかったような表現ができるようになったと思います。最初は、歌の世界では私が一番後輩だから、足を引っ張っちゃいけない!ってドキドキしてたけど(笑)、そんな緊張を超える喜びがありました」

 そして“星”の松田しのぶは、「人前で民謡以外を歌うのは初めて」と言いつつも、民謡で培った凛とした艶やかな歌声で、軽やかにポップナンバーを歌いこなしている。
 「三人とも四〇代になった今が、新たなスタートかなって思うんです。いろんなことに傷ついて、でもそれを受け止める打たれ強さもあって、人生にちょっと哀愁が出てきたあたりがむしろ美しい、という(笑)。私自身、これをきっかけにいろんなジャンルの歌に挑戦したいと思っています」

 そんな息ぴったりの三人が歌うデビュー曲「愛々と」は、沖縄の未来が平和で美しいものでありますように…との願いを込めた、メロディアスなポップバラードだ。三人のソロはもとより、歌声が重なったときのハーモニーが実に清々しく美しく、聞き手の耳に心地よい余韻を残してゆく。この九月には、そんな歌声をナマで楽しめるデビュー記念ライブも決定。チアキは「三人だからこそできるステージにしたい」と、ライブに向けた意気込みを語ってくれた。

「私たちが今からがんばってもダンスは踊れないから(笑)、やっぱり歌だよね、と。デビュー曲はもちろん、それぞれのレパートリーもいつもとは違う形で披露するなど、月・太陽・☆ならではのステージをお届けします。ぜひ聞きに来てくださいね!」
(取材&文・高橋久未子/撮影・喜瀬守昭)
 

月・太陽・☆(つく・てぃーだ・すたー) しゃかりのチアキ(写真左)、元彩風の仲田かおり(写真中央)、民謡歌手の松田しのぶ(写真右)が、2012年春に結成したボーカルユニット。同年6月にシングル「愛々と」で全国デビュー。

◆月・太陽・☆『愛々と(かながなと)』
タクミノート TECG-43 1,000円 2012/6/20発売
愛々と/先年きらら/愛々と(Inst)/先年きらら(Inst)